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2007
年
06
月
25
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[ 38] おいしいねっと〜じゃがいも(馬鈴薯)
[引用サイト] http://www.o-e-c.net/syokuzai/jyagaimo.htm
じゃがいもは世界中でよく食べられている作物です。日本でも馴染み深く、煮ものや揚げもの、ポテトなど、年中料理に欠かせません。栄養価も高いので、どんどん食べたい食品です。1年に2回も旬があるのも、じゃがいも好きにはうれしいですね。 ●保存がきくので年中出まわり、煮ものや炒めものなどに使われるほか、サラダ、ポテトフライなど、日本人になじみ深い食品です。 ●世界の五大食用作物(小麦、水稲、大麦、とうもろこし、じゃがいも)の一つとされています。 ●ヨーロッパでも消費が多く、ドイツ、ポーランド、ロシアなどでは主食にもなっています。 ●栄養価も高く、フランスでは「大地のりんご」などと呼ばれて親しまれています。カロリーがご飯の半分ぐらいで、意外なダイエット食でもあります。 ●日本各地で年中どこかで収穫されていて、保存もきくのでいつでも手に入りますが、旬と言えるのは春の5〜6月頃と、秋から冬の9〜12月頃の年2回です。 ●一般的に新じゃがと呼ばれるものは、5〜6月頃に九州から出荷されるものを指します。 ●2大品種と言われるのは、9〜10月頃に収穫される「男爵薯(だんしゃくいも)」と、5〜6月頃の春作ものがおいしい「メークイン」です。 ●世界中には2000種程の品種があると言われていますが、日本で主に栽培されているのは約20種類です。 ●品種により、食用に市販されるもの、でんぷん原料用、ポテトチップスなどの加工用などに用途がわかれており、でんぷん用や加工用のものはあまり市場には出回りません。 日本のじゃがいもの代表品種で、単に「男爵」の名で扱われることも多く、じゃがいもの代名詞にされることもあります。現在では、じゃがいも生産高の約60%を占めます。1908年(明治41)に、函館ドック社の専務であった川田竜吉男爵が導入したので「男爵薯」と呼ばれるようになり、1928年(昭和3)には「メークイン」とともに優良品種となりました。形は球状で目のくぼみが深いのが特徴です。肉色は白色の粉質で、でんぷんが約15%と多く、ホクホクした食感が特徴です。煮くずれしやすいのですが、粉ふきいもやマッシュポテト、コロッケをはじめさまざまな料理に向いています。中心に空洞が生じやすい、目が深くて皮がむきにくいなど、欠点は少なくありませんが、広い地域に適応して栽培技術も蓄積されており、長年慣れ親しんだ食味と抜群の知名度で消費者からも生産者からも今なお絶大な支持を得ています。淡い紫色の花は、初夏の北海道風物詩の一つになっています。 「男爵薯」とともに日本の2大品種の一つです。名前は[May-Queen]からとられたもので、花の女神フローラの祭りに村娘から女王を選んだことに由来します。日本には1917年(大正6)にイギリスから導入され、昭和30年代に関西方面から人気が広がり全国に知られるようになりました。形はツルリとした長卵型で、目の数が少なくて浅いことが、皮をむきやすいという長所になっています。肉は黄白色のきめ細かな粘質で、煮くずれしにくく、煮ものやシチュー、カレーライスなどの煮こみ料理に向きます。低温で保存すると甘みが増し、しっとりした歯ざわりになります。緑化しやすい、疫病に弱いなど、栽培が難しい品種で、今日のイギリスでは既に栽培されていないのですが、日本では特徴ある形やその名前、甘みのため人気を持続しています。白地に紫色が混じった可憐な花を咲かせます。 「男爵薯」の改良品種で、北海道農業試験場で育成され、1943年(昭和18)にはアルコール原料用として奨励品種となりました。「男爵薯」にとても良く似た形をしていますが、「男爵薯」よりも目が浅く、皮がむきやすいのが特徴です。肉は粉質で、でんぷんは約17%と多く含み、食用のほかでんぷん原料用に使われています。酸化しやすく、切り口が褐色に変色します。水煮すると黒変しますが、粉ふきいもやマッシュポテトに向いています。白の花を咲かせます。 早生(わせ)の食用品種として、1974年(昭和49)、根釧(こんせん)農業試験所で育成されました。いもの肥大が早く、表皮が白いことから「ワセシロ(早生白)」と名づけられました。偏球形で淡黄白色、肉色は白です。肉質はやや粉質で、デンプン含有量は約16%と高く、あっさりしていて上品な食味で男爵に似ています。粉ふきいもやマッシュポテトに適しています。また7〜8月ころのポテトチップスに使われています。貯蔵すると粘質に変わり、甘味が増します。花の色は紫です。 北海道農業試験場で育成された品種で、1976年(昭和51)に加工食品用として奨励品種となりました。偏球形で表皮は淡い黄色、肉は白色です。肉質はやや粉質ですが、糖分が低く、揚げても褐色になりにくい特徴を生かしてポテトチップスやフライポテトへの加工が主流となります。家庭料理でもフライポテトなどの揚げもののほか水煮にも向きます。 「男薯爵」と「ツニカ」を交雑させ、じゃがいもシスト線虫抵抗性遺伝子を組み込んで作出された品種です。北海道農業試験場で育成され、1987年(昭和62)に登録されました。北海道の線虫発生地域のじゃがいも作りに光をもたらす、という意味で「キタアカリ(北光)」と名付けられました。偏球形の小粒で皮色は黄白色、目はやや浅くて赤いのが特徴です。肉は黄色でやや粉質、ホクホクとしていて甘みがあります。でんぷん価が18%と多く、煮くずれしやすいので、皮付きのふかしいもやベイクドポテト、サラダ、コロッケにむいています。栄養的にも特色があり、ビタミンCやカロチンを豊富に含みます。近年人気急上昇中のじゃがいもです。 1938年(昭和13)に、北海道農業試験場で早生で紅色の「レンブケ・フルエ・ローゼン」と収量が多い「ペポー」を交雑させて、でんぷん原料用として作られた品種です。卵型で表皮が紅色をしているのが特徴です。収量が多く品質の良いでんぷんがとれるので、ほとんどがでんぷん原料用になり、市場にはあまり出回りません。貯蔵すると甘みが増し、煮くずれが少ないために煮ものにむき、食用にも人気があります。 1981年(昭和56)北海道農業試験場で「トヨシロ」と「北海51号」を交雑して作られた加工用の品種です。肉色やポテトフライにした色が黄金色であることから「ホッカイコガネ(北海黄金)」と名付けられました。形はメークインに似た長楕円形で皮色は淡褐色、目は浅く、肉色は淡黄色です。肉質はやや粘質で煮くずれしにくく、還元糖が少ないのでフライドポテトにも味色ともに好適です。加工業務用としての流通がほとんどで、市場にはあまり出回りません。 1971年(昭和46)長崎県総合農林試験場で、「北海31号」と「ウンゼン(雲仙)」を交雑し、二期作洋品種として作られました。名前は育成地近くの出島にちなんだものです。長崎を中心に九州で多く栽培されています。春秋2回栽培され、5月と12月に出荷されますが、秋作の方が丸くておいしいです。白黄色の皮は滑らかで外観がよく、肉色は黄白です。肉質はやや粉質でみずみずしく、少し煮くずれすることもありますが、食味は良好で、煮ものやサラダ、揚げものなどにむいています。 1978年(昭和53)長崎県総合農林試験場で、「デジマ」と「長系65号」を交雑し、二期作洋品種として作られました。名前は西南暖地での豊産性にちなんで付けられました。春夏ともにたくさん取れ、特に春作で優れていて、春先に新じゃがとして出まわるものの大部分はこの品種です。長崎や鹿児島など、主に九州で多くつくられています。形は扁球形で目が浅く、外観はきれいです。肉は淡い黄色、やや粘質で煮くずれは少ないので煮こみ料理や、やや硬くて串で刺しても崩れないので、おでんなどに向きます。 もともとは、その産地でその年に最初にとれた新物じゃがいもを「新じゃが」と呼んでいましたが、3〜5月頃に九州などから出荷される早出しの小粒なじゃがいもを「新じゃが」と呼ぶようになりました。最近では、さらにその定義があいまいになり、1〜2月の沖縄産やそれ以降の北海道産のハウスものを新じゃがと呼ぶこともあります。早掘り、早出しのため、小粒で皮が薄く柔らかいのが特徴です。みずみずしく、丸のままゆでるとつるっと皮がむけて新鮮な土の香りが楽しめます。 ●用途別には、総生産量のうち、30%がでんぷん原料用、20%が食用市販、15%が加工用で、最近ではポテトチップスなどの加工用が増えてきています。 じゃがいもからとったでんぷんのことで、市販されている片栗粉(かたくりこ)のほとんどがじゃがいもでんぷんです。北海道が主産地で、料理用のほか、ねり製品や織物用の糊(のり)、医薬品などにも利用されます。ちなみに本来の片栗粉はユリ科の「かたくり」の地下茎からとったでんぷんのことで、かつては広く野山に自生していましたが、現在では数が少なくなって、じゃがいもでんぷんが代用されるようになりました。 ●ふっくらと丸みがあってでこぼこが少なく、皮にしわや傷がないものを選びましょう。 ●芽が出ていたり、緑色に変色しているものは避けましょう。有害成分が生成されています。 ●「男爵芋」や「キタアカリ」は、中くらいの形が揃った球形で、ずっしりと重みのあるものが良品です。完熟すると皮の表面に網目がかかります。大きすぎるものは中心が空洞だったり水っぽかったりするので注意しましょう。 ●「メークイン」や「ホッカイコガネ」は大きくても大丈夫です。皮は薄く滑らかで、しなびていないものを選びましょう。 男爵系のじゃがいもは、でんぷんが多い粉質系が特徴で、粉ふきいもやマッシュポテト、サラダ、コロッケなどにむきます。煮くずれしやすいので、一般に煮ものにはむきません。ただ、肉じゃがやカレーライスにはとろっとする男爵の方が好き、という人もいるので、要は好みですね。 メークイン、ニシユタカ、ホッカイコガネなどのでんぷんの少ない粘質系は、煮崩れがしにくいので、スープやシチュー、カレーライス、肉じゃが、おでんなどの煮込み料理に向いています。このとき調理する3〜4日前に冷蔵庫の野菜室に入れておくと、甘みが増してさらにおいしくなります。 キタアカリは、皮つきのふかしいもやコロッケ、ポテトサラダなどに適しています。 皮が柔らかい春の新じゃがは、よく洗って、皮ごとふかしたじゃがバターや揚げものが美味しいです。 切り口が茶褐色に変色するのは酸化酵素のはたらきによるものです。水に入れて、空気に触れないようにすると変色しません。ゆでると灰汁(あく)がでて黒ずむので、切ったらすぐに水にさらします。灰汁(あく)抜きができるのと同時に切り口が褐色に変ずるのを防ぐことができます。特に揚げものにするときには、ときどき水を替えながら充分さらした後に調理します。 じゃがいもの芽にはソラニンという有毒物質が含まれていて、大量にとると中毒を起こすことがあり、苦みがあっておいしくもありません。調理の際に芽が出ていたら根元を芽ごとえぐりとります。また、芽以外の部分でも緑色になった部分にはソラニンが生成されているので、これも厚めに切って捨てます。それ以外の部分は食べても問題ありません。ソラニンは光を当てると増えるので、じゃがいもは必ず暗い場所で保存しましょう。 新じゃがは小さくて火が通りやすいので、丸ごと炒めたり、揚げたり、煮ものにするとよいでしょう。皮の部分に栄養分が豊富ですので、皮ごと使うと良いでしょう。 新じゃがの皮は薄いのでむきにくいですが、水に10分ほど丸ごとつけておいたあとで、タオルか手ぬぐいで揉むと簡単にむくことができます。それでも取れない部分は包丁でそぎとります。 ゆでるときや蒸すときは、皮付きのまま湯に入れてゆで上げ、あとで皮をむく方が、ホクホクとして水っぽくならず、ビタミンCの損失も少なくなります。 丸ごとゆでるときは水からゆでます。沸騰してからゆでると、中心まで火を通るころには外側がゆですぎになってしまうからです。 皮をむいて料理する場合は、できるだけ煮汁ごと使えるように水を少なめにしておくなどの工夫をすると、栄養を失うことが少なくなるでしょう。 丸ごと焼くときは、十文字に切り込みを入れるか穴を開けてから焼くと、適度の水分が出てホクホクに焼き上がります。弱火から中火へと徐々に加熱し、途中で向きを変えたりしてムラなく焼くのがコツです。 じゃがいもの裏ごしは熱いうちにします。冷めると粘りが出て来て、裏ごししにくくなり、歯ざわりも悪くなります。 付けすぎると、とき卵がのらず、揚げたときに衣がはがれる原因になります。 油温が低いと割れやすくなるので、175〜180℃に保つようにします。温度が下がらないように一度にたくさん入れないようにしてください。 油が少ないとコロッケが鍋にぶつかり、変形や衣が破れるもとになります。 ポイントは低温と高温で2度揚げにすることです。ホッカイコガネ、トヨシロ、ムサマルなどの品種が向いています。 取り出す際に温度が下がらないように、ついた油を鍋の上でよく落とすことが大切です。油がついたままキッチンペーパーなどの上においたら、カラリとはなりません。 揚げものの最後にじゃがいもを揚げると、じゃがいもの水分が蒸発する時に、油の臭いや煙を一緒に蒸発させる作用があり、油の持ちがよくなります。 よく洗って皮つきのまま、水気を残してラップにくるんで加熱します。時間は1個につき5分が目安です。途中上下を返すと加熱ムラが解消できます。 ●光に当たると光合成により有毒物質が生成されるので、直射日光はもちろん、室内の明るいところも避け、光があたらないようにします。 ●収穫後約3ヶ月間は休眠して萌芽(ほうが:芽を出すこと)しない性質があります。この間は7〜15℃での常温保存が可能です。室内の風通しのよい冷暗所で、ポリ袋から出して麻袋や紙袋に入れるか、新聞紙にくるんでかごやネットに入れて保存すると良いでしょう。 ●品種にもよりますが、3〜5℃の低温で保存するとでんぷんがしだいに糖分に変わり甘みがつきます。この場合、煮ものにすると甘みがのっておいしくなりますが、揚げる場合には色が濃くなりますので注意してください。なお、乾燥すると水分が失われてしわしわになってしまうので、家庭用冷蔵庫での保存には注意が必要です。野菜室で3〜4日ぐらいが目安です。 ●一般家庭では難しいのですが、温度が2℃で適度な湿度を保てる環境では、萌芽せずに長期保存できます。 ●生のものを0℃以下にするとでんぷん質が破壊されて、味が落ちます。冷凍保存には向きません。 ●芽が出やすい春先や、大量に手に入ったときは、リンゴを1〜2個一緒に入れると、リンゴからでるエチレンガスの作用でじゃがいもの萌芽を防止することができます。 ●新じゃがは、水分を多く含んでいるので、風味が時間とともに薄れて長期保存には不向きです。食べれる分だけ買って、早めに使いきりましょう。 ●ゆでたものを冷凍すると中の水分が凍ってしまって、解凍したときにスカスカになってしまいますが、マッシュポテトにして繊維をこわしておくと冷凍保存が可能です。カレーやシチューを冷凍するときも同じで、じゃがいもだけはつぶしておくと良いでしょう。解凍するときは電子レンジで一気に解凍します。 ●主成分はでんぷん主とした炭水化物ですが、カロリーは他のいも類に比べてずっと少なく、これにタンパク質、脂肪と続きます。特に脂肪の少ないのが特徴です。フランス語で「大地のリンゴ」と言われる程、ビタミンCやB1、B6などが豊富です。そのほか、ミネラルではカリウムや鉄を含み、また食物繊維の多い点も注目に値します。 品種や貯蔵期間などで差があるのですが、ビタミンCが100g中に15〜40mgほど含まれ、みかんの70%程度と豊富に含まれています。そして、じゃがいものビタミンCはでんぷんに包まれているため、熱に強いのが大きな特徴で、青野菜に比べると一度に多量に食べられる上に保存がきくということもあって、ビタミンCの重要な供給源の一つとなります。 ビタミンCはコラーゲンの生成に不可欠で、血管や神経を強くして老化を予防します。またメラニン色素の生成を抑えてしみ・そばかすを改善し、肌にはりとつやを与えるという美肌効果があります。粘膜を強化するので、胃潰や十二指腸の腸瘍(かいよう)に効果があります。また、免疫力を高めるので抗酸化効果や抗ガン効果を期待できます。 「カリウムの王様」と言われるほど豊富に含まれているカリウムには、血中の塩分(ナトリウム)を排出するはたらきがあり、体内の塩分バランスを調整して高血圧や動脈硬化の予防に効果があります。ナトリウムとカリウムの比は1:1に近い食事が良いと言われていますが、日本人は欧米人に比べるとナトリウムの摂取量が多いので、カリウムを大量に含むじゃがいもは常食したい食品です。 腎臓の機能が弱ってくるとむくみやすくなりますが、こういうときには塩分や肉類、水分を避け、じゃがいもをたくさん食べると症状が改善されます。じゃがいもに多いカリウムが体内のナトリウムを排出するはたらきをするためです。 じゃがいもはアルカリ性食品で、そのアルカリ度はりんごやぶどうより高いほどです。アルカリ性食品は血液と尿の酸化を防ぎ、血液中に尿酸が増えないようにはたらくため、痛風や壊血病、くる病などの予防に効果があります。また、酸性食品である肉や魚、乳製品などと一緒に食べるとよいので、これらのつけ合わせとして最適です。 じゃがいもをたくさん食べると太る、と誤解されている向きがありますが、これは誤っています。じゃがいもはでんぷんを主体とした糖質の食品ですが、100g当たり約70カロリーとご飯の半分のエネルギー量しかありません。主食としても食べれて、満腹感を味わいながら太る心配のないという、理想的な美容食といえます。 じゃがいもをすりおろしてしぼった汁を、土鍋に入れて真っ黒になるまで加熱し、焦カスをすり鉢で粉になるまですりつぶします。これを1日1回小さじ1杯ずつ飲むと効果があります。 やけどには、生のまますりおろしものを厚めに患部にぬり、上からガーゼを当てます。 打ち身やねんざには、すりおろしたものと同量の小麦粉と一緒に練って、布などに厚めに塗り患部に当てます。運動後の筋肉のこわばりには、これを温めて湿布すると効果があります。 皮膚炎や湿疹(しっしん)、とびひなどには、すりおろし汁をそのまま塗ります。 ●南米のアンデス山脈、現在のペルーやボリビアあたりの高原地帯が原産地と言われていて、現在もこのあたりには野生種が見られます。 ●1530年頃、インカ帝国を滅ぼしたスペイン人によってヨーロッパに持ち帰られましたが、毒があるという噂が広まり、長い間食用にはされずに、観賞用や飼料用にしか使われませんでした。フランス宮廷では観賞用に栽培され、マリー・アントワネットはじゃがいもの花を愛して、帽子の縁に飾っていたそうです。 ●食用として一般に広めたのは、ドイツ(当時のプロシア)のフリードリッヒ大王で、冷害による飢饉(ききん)対策のために、自ら民衆の前で食べるなどして栽培を奨励しました。それ以来、ドイツではじゃがいもを主食として食べるようになり、全ヨーロッパにも広まりました。 ●日本へは、慶長年間(1596〜1614年)にオランダ人によって長崎に持ち込まれました。ジャカトラ(現在のジャカルタ)から来たので、ジャガタライモと呼ばれ、さらにじゃがいもと呼ばれるようになったのです。けれども、当時の品種は味が淡白で、日本の料理法や嗜好に会わず、あまり普及しませんでした。 ●一方、北海道には寛政年間(1789〜1801年)に長崎とは別の品種がロシアからサハリン経由で伝えられました。 ●江戸時代、じゃがいもを広める努力をした人々の一人に甲州代官の中井清太夫がいました。飢饉対策として甲州で栽培されたじゃがいもは、天明・天保の大飢饉から多くの人を救いました。この地域では、今でも清太夫の名から名付けられた「せいだ芋」が栽培されています。また幕末の洋学者、高野長英は、著書「二物考」で、じゃがいもの栽培を奨励しました。 ●本格的に栽培されはじめたのは明治時代になってからです。北海道の開拓が始まると同時に、アメリカなどから優秀な品種が導入され、栽培に成功して定着するようになりました。函館の川田龍吉男爵がアメリカから導入した「男爵薯(だんしゃくいも)」が大成功例で、今日でも主力品種となっています。 じゃがいもは普通、種いもから栽培されますが、花が咲いたあとちゃんと種もできます(品種によりできないものもあります)。では種いもから育てるのと種を播いて育てるのではどう違うのでしょうか?種いもを植えた場合は、親株の一部から育つのですから遺伝子も同じで、親株と同じ形質の子株ができます。これに反して、種は別の品種と交配しているかもしれないので、親株とは違った遺伝子を持つ別の子株が育つというわけです。じゃがいもの新しい品種は、こうして別の品種同士を掛け合わすことで生まれます。 長崎に日本で初めて入ってきたとき、ジャカトラ(現在のジャカルタ)港から来たので、ジャカトラいも→ジャガタラいも→じゃがいも、と呼ばれるようになりました。 馬鈴薯とは、中国ではマメ科のホドイモを指すのですが、1808年(文化5年)に学者の小野蘭山(1729〜1820)が、「馬鈴薯がじゃがいもである」と誤って解説してから、じゃがいものことを馬鈴薯と呼ぶようになりました。今では、一般的にはじゃがいもと呼ばれていますが、学会や行政上では馬鈴薯(ばれいしょ)という呼び名が用いられています。 バハマ諸島の原住民が、さつまいものことをバタタ(batata)と呼んでいたのが始まりと言われています。バタタ(batata)がスペイン語のパタタ(patata)、英語のポテト(potato)に変わっていきました。ヨーロッパにはさつまいもの方が早く伝わっていたのですが、後から持ちこまれたじゃがいもを区別せずに、両方ポテト(potato)と呼んでいたとのことです。 フランス語のポム・ド・テールとは「大地のリンゴ」という意味で、じゃがいものことを指します。これは元々高い栄養価が評価されていたりんごに、勝るとも劣らないじゃがいものの栄養価が庶民に認められて付けられた呼び名です。 一株から五升も八升も採れることから付けられた呼び名です。 じゃがいもは、根ではなくて茎が変化したものです。地下茎が枝分かれして細く伸びて行き(ストロンと呼ばれます)、その先端が肥大してでんぷんが蓄積したものがじゃがいもです。ちなみに、さつまいもは根が変化したものです。 じゃがいもの表皮のくぼみを目といいます。じゃがいもを一つ手に取って、頭(目がたくさん集まっている方)をながめてみると、目は137度ずつ回転しながら、つむじのように螺旋(らせん)状に分布しているのがわかります。これは葉序といい、茎から出ている葉も同じように137度ごとに生えています。このことは、じゃがいもが茎の一部であることの一つの証拠でもあります。この微妙な配列は、葉が永遠に重ならず、光を受けやすいようになっているためとのことです。 1853年、ニューヨークのあるレストランで、お客さんが料理に盛りつけられたフレンチフライドポテトを見て、ぶ厚すぎる、とクレームをつけました。それを聞いて怒ったシェフのジョージ・クラムは、じゃがいもを思いきり薄く切り、油でカラッと揚げて出したそうです。これが意外に大好評だった、というのが始まりだそうです。
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